2010年春分の日の連休は、北海道の未乗区間に行きました。
地元も雪でしたが、北海道も雪です。
加えて発達した低気圧の影響により、日本全土が強風に見舞われ
交通機関は運休や遅延を余儀なくされました。
低気圧が北上して接近して来るにも関わらず
土曜日夜に札幌入りし、翌朝特急を利用して新夕張駅へ移動。
この時点で、道内の乱れは殆どありませんでした。
新夕張駅から夕張駅行きのキハ40系に乗車。
普通の地元客が多く、鉄は私を含めて2〜3人でした。
しかし夕張駅へ向かう途中も、列車へ吹き付ける風の音が
車内にも聞こえる程になり…夕張駅へ降り立った時には
目が開けられない程の強風となっていました。
石勝線は南千歳〜新得間の132.4km、全線単線の路線。
この新夕張駅から夕張駅へと向けて、16.1kmの夕張支線が伸びています。
しかし歴史的に夕張支線部分は、1892年に北海道炭礦鉄道により
運炭路線として建設されたのが始まりで、その後鉄道国有法により買収。
石炭が重宝された時代、最盛期には11万人以上居た住民も
相次ぐ炭鉱の閉山等で人口は流出し、現在では1万人少々とのこと。
立派な集合アパート群が立ち並ぶも、閑散とした雰囲気。
だけどこの雰囲気も、多分他人事ではないはず。
現在、夕張支線を走行する列車は9往復(臨時列車は除く)。
普通列車のみが運行され、ワンマン運転が行われている。
運行頻度はおよそ2〜4時間に1本程度で、途中駅に交換設備は無い。
新夕張駅を出発すると、谷合を終点目掛けて列車は上っていく。
■新夕張駅で特急スーパーとかちから数分で乗り換え | ■新夕張駅名板 |
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夕張支線の駅は新夕張-沼ノ沢-南清水沢-清水沢-鹿ノ谷-夕張。 各駅停車の普通列車で全線乗車しても30分足らずの路線です。 夕張からの折り返しも、大半が10分以下の待ち合わせ時間で発車。 新夕張駅を出発直後から、国道452号線が寄り添い 清水沢駅付近から夕張駅までは、道道38号線が寄り添っている。 それらの道路を走る車両数は多いが、夕張を素通りしたり 著名観光地だけ立ち寄って、走り去ってしまう人々が多いようだった。 時間に余裕があれば何駅か乗下車したかったし 徒歩で隣駅訪問も考えましたが…何しろ天候が悪化の一途。 路線乗車だけなら、比較的簡単なのですが 新夕張駅へ戻っても接続列車の無い時間帯もあります。 札幌方面等のバスも結構走っているようでしたが 丁度良い時間の便も無かったので諦めました。 そこで1本列車を見送って、夕張市街地を回る事にしました。 |
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■石勝線本線と夕張支線 | |||||||
新夕張駅から1つ目の駅、沼ノ沢駅(下画像参照)。 こちらの駅では何人かが乗り降りしていました。 かつては東方向へ北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道が分岐。 そのため多くの側線を有していた様子が伺えます。 現在はそれらの側線も剥がされ、1面1線の無人駅となっていますが 事務所部分には洋食中心の「レストランおーやま」さんが入居しています。 オーナーは帝国ホテルで修業した方だそうで、 夕張特産の長芋を使ったお料理等、地元の素材を生かした 創作料理が提供され、賑わっているそうです。 こちらのお店にも立ち寄りたかったのですが…断念 orz 2つ目の駅は南清水沢駅(画像なし)。 簡易委託駅(5:45〜17:00)で、高校生位の方々が利用していました。 |
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■サボの表示が何だか懐かしくて嬉しい |
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■沼ノ沢駅 | ■旧事務室部分にレストランおーやまが入居 |
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3つ目の駅が清水沢駅(左画像参照)。 こちらは新夕張駅管理の社員配置駅(平日のみ・7:10〜14:00)。 かつては交換設備のある駅だったそうですが 残念ながら現在は 単式ホーム1面1線となっており 駅舎からは長いアプローチが伸びていました。 この駅も三菱石炭鉱業大夕張鉄道線等複数の路線が接続し 多数の側線を有して、構内は石炭を満載した貨物列車等で 大いに賑わっていたようです。 4つ目の駅は鹿ノ谷駅(画像なし)。 北海道炭礦汽船の全盛期にはこの周辺が高級住宅地となっており 会社幹部とその家族が住んでいたそうです。 また夕張鉄道線の接続駅でもありました。 |
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■清水沢駅 | |||||||
■終着・夕張駅 | ■移転を重ねた現在の夕張駅は3代目 |
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■ホテルマウントレースイ側からの夕張駅全景 | ■道道側からの夕張駅とマウントレースイ建物 |
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新夕張駅から5つ目、終着・夕張駅。 単式1面1線の無人駅ですが、簡易委託駅となっており 乗車券等は目前のリゾートホテル・マウントレースイのフロントで 取り扱っているそうです。 訪問日はホテル裏手のマウントレースイスキー場で 小学生のスキー大会が開催されていたため スキー場は勿論、ホテル周辺にも家族連れが沢山いました。 夕張駅は主要産業の変化に伴い、経路を短縮する形で これまで2度の移転がありました。 初代駅舎は市の奥地・現在の石炭の歴史村付近に 石炭運び出しを目的として設置されていました。 旧駅舎も暫く活用されていたらしいのですが、2006年解体された模様。 |
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■夕張駅駅名標 |
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■吹きさらしの通路は真冬は寒い… | ■夕張夫婦がお出迎え? |
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★印は下に掲示している画像の撮影位置です | ■↑画像にカーソルを合わせると、散策経路が表示されます |
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★1=石炭博物館等の施設は4月まで休業…orz | ★2=現在の夕張市役所周辺の風景 |
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2代目駅舎は現在の夕張市役所付近にあったらしいので 市街地を散策しつつ、路線跡や駅跡を探すことに。 現在の3代目駅舎にはイタリアンカフェ「ルーチェ・ソラーレ」と 夕張市観光案内センターが入居していました。 地図でも貰えればそれで良いかな、と思っていたのですが 観光案内センターの女性がとても親切に対応して下さり 周辺のお勧め観光ルートの案内の他、荷物も預かって下さいました。 お陰で手ブラで散策が出来ました。 「色々な映画の看板が飾られているから、見て回るだけでも楽しめる」 「夕張鹿鳴館も入館料は取られるけれど、食事にお勧め」 「2km位あるけれど、ぐるっと回っても小一時間かな」 「貴女は若いから、歩きで回るのを勧めても大丈夫かと思って(笑)」 |
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★3周辺=名画の絵看板があちこちにありました | |||||||
★3周辺 | ★3周辺 |
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★3周辺 |
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★3周辺=映画本編がどんな内容なのか気になってくるww | ★3周辺 |
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★3周辺=倍賞さんが欠席者みたいに小窓で描かれている(笑) | ★3周辺=郵便局にまで看板が… |
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★3周辺=仏壇店の看板の方がインパクト大 | ★3周辺=キネマって忌み言葉とも言われていますね |
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★3周辺=健さんカコイイ | ★3周辺=黒澤作品ファンには堪らない? |
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山間に市街地が広がっているので、傾斜のある場所に足場を設けたり 斜面を削ったりして平地を作り、建物が建てられている感じ。 結構な高台の上にまで住宅があったりする。 最盛期には所狭しと民家や炭鉱住宅が立ち並んでいたと云う。 しかし昭和30年代から40年代に、炭鉱は相次いで閉山となり 近年は市の財政破綻もあり、人口は減少する一方。 人口の年齢別内訳を見ても、他市町村に比べ50代以上の比率が高い。 何か少しでも明るい要素になればと、様々な方面で奮闘している 住民の皆さんの熱意を随所に感じました。 今回、スキー場以外はほぼシーズンオフな状況での訪問でしたので 夏季等雪の無い季節には、人々で賑わう街であって欲しい。 駅舎も現在地に短絡せず、初代駅舎付近まで線路があったら… と個人的は思うのですが。せめて市役所付近の2代目駅舎の位置で。 車ばかりが行き交う道をてくてく歩いている間、そう考えていました(笑) 実際、現在の駅を中間駅とする案もあったそうですが 経済的な事情等から現在の形となった模様。 …加工とかしてから気付いたのですが、上の夕張市街地の地図と 実際の道路状況が、結構違っているんですけど(滝汗) と云う訳で、地図の内容は参考程度に留めて下さいませ〜。 |
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★4=志幌加別川 |
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★5周辺=坂道を上って行くと段々雪の壁が高くなりました | ★5周辺=開館していたら行きたかった… |
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★5周辺=入口が雪で埋もれてたため閉鎖された施設なのかと思った(苦笑) | ★5周辺=徒歩での来店は想定していないようです(´・ω・`) |
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★5周辺=内部で社員の方々が働いている姿も見えました | ★5=直営ショップでお土産品の買い物と休憩を |
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★5周辺=コーヒーがサービスで付いてきました | ★5周辺=夕張生メロンパン |
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★6=多分この付近が2代目夕張駅舎跡地 | ★6周辺=路線跡である事が何となく分かる |
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■500円でお腹一杯になるランチが大人気とか | ■ランチ開始早々に満席となっていました |
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夕張市街地を一回りして夕張へ戻って来た頃には 丁度イタリアンカフェ「ルーチェ・ソラーレ」の開店時間。 歩き回ってお腹が減った事ですし、こちらで昼食を戴きました。 家族・グループでの利用が多いせいか、一人客はカウンター席へご案内。 一人客ばかりぎゅうぎゅうに詰めて座っていると、ちょっと居心地悪い(笑) こちらの人気の秘密は、何と言っても500円ランチバイキング。 茹で立てパスタや窯で焼いたピザの他に、サラダやお惣菜等もあり 本当にお腹いっぱいになりました。 ランチ営業時間内でも、規定量が全て提供されると終了、という感じらしい。 節約旅の方にも、こちらのお店はお勧めです! |
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■ピザやパスタ等が次々と提供されていました | |||||||
残念ながら冬季休業の施設も結構多く、夏季であればまた全然違う 夕張の表情を見ることが出来るのではないかと思います。 沿線各駅の過去と現在の姿も気になりますし 昭和40年代まで存在した各炭鉱関係の私鉄の路線跡も 興味を引くところです。いつか是非、再訪したい街です。 三弦橋も水没する運命であるなら、まだ完全体である内に 見に行きたいのだが…。 ※旧下夕張森林鉄道線夕張岳線の橋梁 全然列車や市街地について、動画の撮影をしていなかったので せめて、当日は本当に酷い天気だったと分かる映像を…(笑) |
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<長文&駄文にお付き合い下さり、ありがとうございました!> |
design: [pondt]様よりお借りしました