イチ鉄子のダメダメ放浪日記。

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勝手に聖地。 【JR西日本 因美線】

魅力満載の有名ローカル線。

 
旅行日:2009年09月19日〜20日

ずっと乗ってみたいと思っていた路線の一つである、因美線。
未だ古き良き駅舎が残されており、その車窓風景もさることながら
かつては腕木式信号機タブレット交換なども見る事が出来たという。

因幡の国・鳥取と、美作の国・津山を結ぶ路線として
長きに亘って陰陽連絡路という重要な位置にありましたが
1994年(平成6年)、智頭急行線が開業した事で、その役割は
智頭線経由の列車が走る智頭以北のみとなり
智頭以南は純然たるローカル線に…。

1997年(平成9年)11月28日限りで急行砂丘が廃止となって以降は
鳥取〜津山(現在の因美線の終点は東津山)を直通する列車も無い。

他の乗客1名は途中で下車…。

そんな訳で、9月19日に若桜鉄道に寄り道してから最終列車で津山入り。
智頭から乗車したキハ120形の車内は、ほぼ貸し切り状態。
無事因美線を完乗しましたが…それだけでは終了出来ません(笑)

私には因美線の中で、どうしても訪れたい駅
「特別な理由」があったのです…。

いや、しょうもない理由なんですけどね…。

 

 

■鳥取〜智頭間は特急がバンバン走ります
■上下線の特急や鳥取行き普通列車は本数あるんですけど…

因美線は起点・鳥取から終点・東津山まで70.8km、全19駅。
全線単線、非電化路線。
津ノ井・郡家・用瀬・智頭・那岐・美作加茂の6駅で、列車交換が可能。

9月連休の四国旅行の途中(方向オカシイ)で、 どうしてももう一度
餘部鉄橋を通過したかったのと、因美線に乗りたかった
山陰本線で鳥取まで移動し、若桜鉄道にも寄り道して
郡家から智頭へと移動。

…とは言え、津山側に向かう接続列車が暫くなかったため、
既に真っ暗の智頭駅周辺で小一時間ほどウロウロしてました(寒)
明るい時間なら、宿場街でもある智頭の観光が出来ただろうに…。

夜空が物凄く綺麗で、天の川がハッキリ見えました。
 
■那岐駅の駅名標に惹かれて車内から慌てて撮影
■美作加茂駅到着、ようやく夜が明けた時間帯です
■時計台のある、美作加茂駅

まだ夜明け前の5:21津山発・美作加茂行きに乗車。
ちなみに前日も朝5時起き、この日は4時台に起床…orz
寝不足過ぎて起きられず、本気で乗り遅れるかと思いました。
それを予測して、前日既に乗車券を購入しておりましたヨ(爆)

乗り鉄の基本は「始発から!」…ですが、夜明け前ってどうなんですかね?
厳しくルール設定している方にとっては、「ナシ」らしいです。

前日、智頭から津山まで移動する時点で既に真っ暗、
全然沿線の景色は見れなくて、一体どんな路線なのかも
分からない状態では「完乗」とは言えない。
全線を再度乗車している時間は無いけれど、一部は確認出来るし
どうしても訪れたい駅にも行けるとあって、眠気と必死に格闘…。
■平日日中は簡易委託駅員さんがいらっしゃるそう  

当初は、津山からの上り列車で、直接「その駅」に下車する予定で
切符も津山から「その駅」までで事前に購入しておりました。
でも、「その駅」に到着する時点ではまだ周囲が薄暗かったのと
美作加茂駅まで行って折り返して来ても、その後の予定に
支障が無かったのとで、急遽美作加茂駅まで乗車

津山 5:21 → 5:49 美作加茂

本音を言えば、知和駅とか、美作河井駅にも行きたかった…!!!
特に美作河井駅の転車台跡が見れず、本当に残念。

5:21津山発列車の前、始発・4:59津山発智頭行きは快速なので
知和駅も美作河井駅も華麗にスルーされてしまいます(涙)
いや、それ以前に朝起きられないって欠点がありますけど。
 
■折り返し下り津山行きは、上りホームから発車

7分で折り返すキハ120形には、学生が何人か乗車。
部活動や補習授業とかなのでしょうか…?にしては早くないか?ww
暫し駅や車輌の写真を撮影し、再度津山行きキハさんに乗車。
この時点で、運転士さんにはかなり怪しまれていたと思う(爆)

美作加茂 5:56 → 6:02 ??駅

…因美線、最大の目的地に到着し、運賃を現金で支払って下車。
なお、駅で列車を待つ人の姿は無く、下車したのは勿論私だけ。
下車して、キハ120さんを見送ろうとカメラを手にしてたら
運転士さんが 列車から駆け降り、私に向かって言いました。

「貴方、本当にココで降りるの?この後どうするの!?」
…運賃支払って降りたんですから、降りるに決まってますデス。
■…ホーム、長ッ!!!( ̄□ ̄;
■そんな訳で、三浦駅
■かものはしかも…を髣髴とさせた

「ここで降ります。次の、7時の列車を待つつもりです」
そうお話しして、キハ120さんをお見送りしました。
列車が過ぎ去ると、まだ早朝時間帯である集落には人影も疎らで
近くを流れる川の音と、眼下の県道を走る車の音が時折するだけ。

ここは、岡山県津山市三浦にある、三浦駅
何故ココに来たのかと言ったら、私が「三浦」さんだからです(本名)。

前日、津山駅で事前に切符を購入しようと思い立ち、
一旦は自動券売機の前まで行きました。
だけど、券売機で買ったら「津山から○○円区間」としか記載されない。
なので、わざわざみどりの窓口へ赴き、発券して貰いました。
係の方も、何故わざわざそんなコトを?と怪訝そうにしていましたが
「私が三浦なので〜」と言ったら大笑いして、発券して下さいました。
■吹きっ晒しですが広い待合室
■因美線自体の本数も少ない上、快速は通過扱い
■地元の要請により設置された駅なのです

って、結局美作加茂まで乗車し、現金で運賃も支払ってしまった為
発券して貰った切符は、ただの記念品になってしまいました(笑)

次の津山行き列車は7:22発。たっぷり1時間20分もあります。

三浦駅ホームの端から端まで歩き、集落内もウロウロ。
後から設置した駅なだけあって、結構強引な立地です…。
築堤上に設置された単式1面1線の長いホーム。当然無人駅。
駅舎はありませんし、県道から駅へ入るには一度線路を越えて
集落内を回る形になるようです。
しかも私が見た限りでは、駅入口を示す看板も無いような?
 
■駅舎はなくてもトイレはちゃんとある
■駅入口。集落内の道から直接ホームに入る形
■駅前には立派な庭園が
■客車牽引時代は必要だった長さなのでしょう
■津山側踏切から駅を臨む

事前に三浦駅について調べてみても、少々物好きな方(失礼)や
全駅乗下車を目指している方の記事くらいしか見掛けませんでした。
なので、JR西日本因美線三浦駅に関して一番熱く語っている
ホームページを目指してみたいものです。←自分が一番物好きです

1日平均乗車人数は37人(2007年度)。
私はこの日、誰にも会いませんでしたが、学生さんが中心でしょうか?
1963年(昭和38年)4月1日、地元の要請を受けて開業。
因美線の中では、最も新しい駅となります。

加茂川河岸段丘上の三浦と云う集落内にあり、県道側からは
一見何処に駅があるのか分からない。緑に馴染み過ぎです(笑)
駅ホーム及び線路向かいの木々の大半は「桜」らしく、
桜の美しい駅として、一部には有名みたいです。
■この時点で、私が一番該当しますね…orz  
■県道側から見た三浦駅。まるで庭園の一部のよう…
■民家の脇の小道にお邪魔してみました
■美作加茂側にある鉄橋の下をくぐると、県道に出ます
■鉄橋標は年期が入り過ぎて判読不能ww
■県道でバス停発見
■…って、1日2本なの?( ̄□ ̄;

このまま三浦駅で次の津山行き列車を待っても良かったのですが
時間も余裕タップリですし、折角ですので、
隣駅・美作滝尾駅まで県道を歩いてみたいと思います。
美作加茂へ向かう途中、車内から周囲の状況を確認し大丈夫と判断。
その道程は約3km。朝の散歩にはもってこいです。

…ただし、こんな時間に歩いている人はやはり
車に乗っている方からジロジロ見られたり
地元住民の方から声を掛けられたりします(苦笑)

主に集落内の道や旧道を歩いて行ったのですが、
途中お会いした住民の方とご挨拶したり雑談したりで
あっという間に時間は経過ww
それでもおよそ40分程度で、美作滝尾駅へと到着しました。
 
■津山側から三浦集落と集落(駅)入口を臨む
■地元では見た事が無いため、彼岸花が非常に気になります
■だいぶ明るいものの、まだ空は明けきっていません

事前に地図で調べてみた際、 美作滝尾駅へ向かうには
現在の県道からは面倒そうだったので、旧道?をてくてくと歩き、
朝の散歩途中のチワワに嫌われたりしつつ(涙)
何とか迷うこと無く、駅入口のJAを発見

集落内に郵便局とJAがあるのって、何だか安心しませんか?

実は、美作滝尾駅のイメージとして、もっとポツンとした立地かと
勝手に思っていたのですが…集落の中心的存在にも思える立地。
しかし駅と線路の向こう側は、見事に田畑です。

集落自体は結構住宅数もあり、日中であればもっと
雰囲気が違っていることでしょう。
■このJAにて切符が販売されたりしているそうな  
■いかにも、「駅へと続く道」な雰囲気
■駅舎を飾るかのように、両側には松ノ木が
■駅左手には「鐵道七十周年記念」碑
■駅右手には「男はつらいよ ロケ地記念」碑

美作滝尾駅は因美線、津山-美作加茂間が開業した
1928年(昭和8年)に建てられた駅舎であり、窓枠は木製。
内部構造等、各所がほぼ原型を留めているということから
「昭和初期の標準的な小規模駅舎」という点が評価され
2008年11月1日、登録有形文化財の指定を受けました。

1970年に市が駅舎の払い下げを受けて、現在では地元の方々が
清掃や花壇の手入れ等の管理を行っているそうです。
一時は取り壊しの話も浮上したとのことですが、地元の方々の
熱心な運動によって保存が決定し、現在に至っているようです。

私が訪れた際も綺麗に清掃・整備されており、
ここが無人駅である事が信じられない程でした。
■この風格、素晴らしいの一言に尽きます  
■登録有形文化財の指定標
■鳥取方に2本分の行き止まり側線と木製上屋が現存
■雰囲気の良さと美しさ、温かさの溢れる駅です
■隅々まで清掃が行き届いているのが分かります

木製の改札口が良い感じに使い込まれて丸みを帯びている。
待合室中央に置かれた木製のベンチを朝日が照らし
年月により磨き上げられた光沢が浮かび上がるようで。
「男はつらいよ」映画監督である山田洋次氏の言葉にもありますが

日本の駅を見て来ましたが
美作滝尾駅ほど美しい駅は
もう日本のどこにもありません


まさに、その通りの駅だと感じました。
晴れの日も雨の日も風の日も雪の日も。
この駅は、いつでも人々を迎え入れ、送り出す。
この駅は、皆に大切にされ、愛されている。
いつまでも変わらず、この地に在り続けて欲しいものです。
 
■かつては駅員さんも沢山居て、賑やかだったのでしょうね
■大半の駅では、板が打ち付けられたり塞がれたりしてます
■新聞記事等も飾られていました
■活けられて、そんなに時間が経っていないようです
■まるで「駅員さんが今ちょっと席を外している」みたいです
■ホーム・津山側から見た駅舎
■駅名標

…美作滝尾駅から立ち去りたくない気持ちになりましたが
この後も旅程はまだまだあるし(※四国に行く途中)
そもそも因美線は列車運行本数が少ないし(苦笑)
非常に残念ですが、次にやって来る列車で、立ち去る事に。

美作滝尾 7:25 → 7:45 津山

列車到着5分程前から、どこからともなく学生さん達が現れ
列車到着直前には十数人に膨れ上がっていました。
…と言うか、踏み切りでもない線路を跨がずに
ちゃんと駅入口から入って来ましょうね…?(笑)

そして到着したキハ120形の中は、既に学生さんだらけ。
そしてそれよりは少ない社会人の皆さんで一杯でした。
 
■私の本名と一文字違いでドッキリww
■ぽつりぽつりと人の姿が…
■やはり駅というものは使われてこそ、ですね
   
正直、日程的にはキツいスケジュールだったのですが
何とか無事間に合って行く事が出来て、本当に良かった。
また因美線に再訪出来た時には、今度こそ
知和駅や美作河井駅に寄ってみたいですね。

長文&駄文にお付き合い下さり、ありがとうございました!
   
 
※記載されている情報は2009年10月現在のものです
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