イチ鉄子のダメダメ放浪日記。

SYSTEM-R

絶景を求めて。 【JR四国予讃線】

青い青いその色に、時間を忘れていた。

 
旅行日:2010年10月10日

2009年9月の「シルバーウィーク」の際、四国をぐるり周回。
しかしうどうしても時間の都合で回れなかった路線に乗るために
四国を訪れること3回目。

この旅で、JR線の他・四国の鉄道路線を完乗する予定でした。
しかしそれ以上に、あの駅に是非降り立ってみたい!
そして出来れば夕刻の一時を過ごしてみたい!
前後の乗車予定等を練りに練り(ちょっと大袈裟です)…。

旅行当日は本当に幸いなことに、見事なまでに晴れ渡った空
松山から伊予鉄道郡中線で郡中港駅へと移動し
郡中港駅からJR四国・伊予市駅へ徒歩接続。
この伊予市駅は、非電化区間と電化区間の境界線の駅。

普段もやし生活な私には、南国の日射しがキツイです。

ここから海側を南下しても構わなかったのですが
敢えて特急でショートカットし、伊予大洲駅へ。

ちなみに内子線の分岐点、向井原駅付近で挙動不審になったのは私です。
宇和島出の同窓会に向かうらしいお爺さん・お婆さんのグループに
何事?と云う顔をされてしまいました…orz

約26分で伊予大洲駅へ到着。
海側(伊予長浜経由)普通列車ですと、約1時間10分程度。
かつてこの新線部分が未開通だった時代(〜1986年)には
海側の予讃線を特急が往来していたと思うと、何だか不思議な気持ちです。

 

 

■分岐駅は向井原駅ですが、実質伊予市駅で分岐
■内子駅前に保存されていたC12 231号機と旧駅名標
■特急であっと言う間に伊予大洲駅へ到着
■如何にも駅と云う雰囲気と安心感…

特急宇和海を伊予大洲駅で下車し、10分足らずの接続で
伊予長浜経由の松山行き普通列車に乗り換え。
部活帰りの高校生や、私と同じような旅人と思しき姿の乗客。

車両はキハ32 1。キハ32形は車長16mと、小さい!(゜□゜;)
オールロングシートの車内はトイレ設備も無く、
列車交換等で駅に数分〜10分程度停車時には
「トイレをご利用の方はこちらでどうぞ」とアナウンスがありました(笑)
馬力的にも、勾配に差し掛かると減速が著しい(苦笑)
雨天時等、走行中に空転したりして、遅延の原因にもなったりするそうな。

余談であるが、キハ32形は21両しか製造されなかった。
バス部品を流用したりしてコスト削減を図っている車両で
1〜11=新潟鐵工製、12〜21=富士重工製 となっています。
 
■内子経由と伊予長浜経由の説明板
■予讃線(伊予市〜伊予大洲間)路線図
※カーソルONで経路説明の別画像を表示します
■伊予長浜駅で交換
■何気にキハ32のトップナンバーでした
■上屋が良い雰囲気!
■懸賞金の看板、他の場所でも何度か目にしました(汗)
■残念ながら伊予長浜駅は2010年9月末で無人化されました
■伊予長浜駅は一番左上

伊予大洲駅を発車した上り・キハ32形普通列車は、
左手に肱川を眺めながら、伊予若宮信号場で内子経由の線路と別れを告げ
その河口へと進んで行きました。
伊予長浜駅手前で北西から北東へと大きく進路を変更。

伊予長浜駅で列車交換の為に停車したため、駅舎を見に行きました。
伊予長浜駅はJR四国の駅業務体制の見直しに伴い、
2010年9月末で駅窓口の営業を終了していました…。
窓口にはその旨を告げる紙が掲出されていました。

経営が厳しいのは現実ですし、何らかの対策を立てて行くのは
仕方が無い事ですが…無人化は残念でなりません。
向井原〜伊予大洲間は現在、全て無人駅となってしまいました。
(一部簡易委託駅となってはいるようです)
■この付近から伊予灘が車窓一杯に広がります
■憧れの駅に到着
■小さいながらも手入れの行き届いた駅舎

喜多灘駅を過ぎると、進行方向左手には伊予灘。
本当に幸運なことに、雲が殆どない位の晴天。
遥か向こうには島々の影…もしかして広島県の島々??

喜多灘駅、串駅と過ぎ、下車した駅は「下灘駅」
青春18きっぷのポスターにも使用され、
また日本一の夕陽が見られる駅としてTV等でも取り上げられて
すっかり有名になった駅です。
TVドラマ「HERO」で、主人公・久利生公平が任地を離れるシーンの
ロケ地としても使用されました。ドラマ自体は山口県が舞台…www
最近ではハロプロメンバー?の写真集やDVDのロケ地になったようで
ファンによる「聖地巡礼」が行われているらしい(駅ノート参照)。

この駅で下車したのは私だけでしたが、その列車の到着を待っていたのか
自動車での来訪者が10人以上いらっしゃいました…。

うぬう…(´公`;)

元々は眼下まで海だったそうですが、海岸線が埋め立てられ
新たに国道378号線が海側に敷かれています。
しかしその高低差から、国道の存在は殆ど気にならない。
下灘駅前を通る道が、元々はメイン道路だったのかな、と推測…。

ちなみに後で駅周辺を探検した際、「↑伊予市 ××km」と書かれた
古い時代の看板を発見し、一人確信しましたが…真偽は如何に?
 
■下灘駅 駅名標
■夕陽狙いのカメラ愛好者さんのようです
■駅入口の看板は風格すら漂っています
■地元の皆さんにも愛されていますね
■駅ノート、私も足跡を残して来ました

10月とは言え、これだけ晴れ渡った夕暮れ前の時間帯。
画像では朗らかに見えますが、暑かったです(笑)

下灘駅は、片道だけで考えると1〜2時間に1本のローカル線ですが
上下線合わせれば、1日20本以上が停車する駅です。

駅周辺、正面入口側には集落もありますし、
目前の道路を、左右どちらへ向かっても国道378号線に通じています。

今回は完乗目的で上り列車を待った為、下灘駅には1時間超の滞在。

駅を一通り愛でた(笑)ので、駅入口から出て右手に進んでみました。
海沿い集落に、良くある雰囲気の細い道。
時折、地元の方や下灘駅目当ての観光客の車と擦れ違う。
しかしたまに、今さっき擦れ違った車が、近くの広い場所で方向転換し
私を追い越したりする光景が見られました。

それを不思議に思っていたら…(゜-゜)?
同じように擦れ違い、そして私を追い越したとある車で謎が解決(笑)
集落の上方に住んでいる方が、自宅へと上っていく為の行動でした。

集落内道路は道幅が狭いうえ、急な登坂状態の道路は
直角に交差している訳ではないために、一度通り過ぎて方向転換し
勢いを付けて、坂道を一気に上っていくと云う感じ。
とある車は対向車への注意としてクラクションを鳴らし
急な坂道を、勢い良く上って行ったのでした。
■絶景としか言いようがない
■まだ夕陽の時間とは言えない…orz
■伸びる線路が光って綺麗です
■カメラスタンバイ済み
■駅の存在に気付かず、通過するだけでは勿体無い!

集落内道路をてくてく歩いていると、道端で談笑するお婆さん達に遭遇。
こちらには気付いていないけれど、知らぬ振りで通り過ぎるのもなぁと
こちらから「こんにちは〜」と御挨拶。

「お帰りんさい」

これまで色んな場所に行っては、地元の方にご挨拶をして来ましたが
そう返答されたのは初めてでした(笑)
列車で帰って来た地元民と思われた…のかも?(^_^;

集落内の道を下り、国道378号線へと合流する場所には、踏切が。
すぐそこに海岸線が迫る高度の低いこの場所から
列車は上り勾配となり、少し高い位置にある下灘駅へと向かうのです。
線路脇にあった勾配標は、9‰を示していました。
 
■他の方々の居ない隙を狙って撮影しました
カーソルONで別画像
■ぐるりと回って国道を歩き、駅真下まで来ました
■下灘駅の頭上にも、青い海が広がっているようでした
■国道から上がって行ける場所があったので上ってみた

この付近の国道378号線は間違いなく、海岸線に沿って走る絶景道路
交通量も本当に多く、歩道を歩いている物好きは私だけでした orz

下灘駅を出て、1km以上歩いたかと思います。
丁度、下灘駅の真下付近に到着しました。
下の国道から眺める下灘駅も、なかなか素敵なロケーションでした。
国道側から見て、ここに駅があるとは知る由もない。
そしてその駅から、一層素晴らしい景色に出会えるとは予想出来まい…。

草叢の中に国道から下灘駅構内へと上がる階段があったので
やめておけば良いモノを…しっかり登った駄目な大人です(゜Д゜)ノ
見事に蜘蛛の巣やら色んな物に引っ掛かりました(爆)
流石に線路を横断して、駅構内に出る気にはなりませんでしたので
再び急な階段を下りて国道を歩き、ぐるりと下灘駅周辺を回って帰還。
 
■大分日が傾いて来ましたね
■二人の距離感
■夕刻の駅を狙って、入れ違いに下車した方が多かったです
■今度はキハ54 7
■構内の雰囲気も素敵な駅
■伊予上灘駅
■伊予上灘駅 駅名標

陽も大分傾き始めた16時過ぎ。
待っていた列車が到着し、前方扉からは5〜6人が下車。
対して、乗車したのは私1人。

この季節はこの列車で下灘駅を訪れ、次の列車で去るのが
夕陽を眺めるには最良のタイミングだったのでしょう。

その後の行動予定の関係で、夕陽を拝むには早い時間の訪問でした。
しかし 個人的には、好天に恵まれて色々散策出来たのですから、大満足!

伊予市駅へ向かう、キハ54。
山側のロングシートに腰かけ、ずっと窓の向こうの海を眺めていました。
車内をもオレンジ色に染める夕陽がとても眩しく、心にも焼き付いたのでした。
■対向は特急列車車両充当???Σ(゜□゜;)
 
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<長文&駄文にお付き合い下さり、ありがとうございました!>
 
※記載されている情報は2010年10月現在のものです
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