イチ鉄子のダメダメ放浪日記。

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江の川に沿って。 【JR西日本 三江線】

江の川と共に。

 
旅行日:2010年05月02日

三江線は江津駅(島根県江津市)と三次駅(広島県三次市)を結ぶ
JR西日本地方交通線。
陰陽連絡線として1930年代から建設が開始されたものの
全通したのは1975(S50)年。
既に地域間の移動は、道路利用が中心になっていました。

また、線形から言っても短絡路線とは言えず…むしろ迂回路状態。
陰陽連絡路線としての機能を果たすどころか
全通列車も少なく、利用者は専ら地域住民の方々。
沿線人口も多いとは言えない地域で、利用者の絶対数が少ない…。

5月連休、山陰から山陽へ抜ける為に乗車しました。
江津から十数人が乗車し、その大半の乗客が石見川本駅で下車。
浜原駅での乗り替え以降、三次到着まで貸し切り状態でした。

三江線の起点です。

同じ島根県内にある木次線(特に出雲横田〜備後落合間)と共に
超閑散路線であるため、度々路線廃止の話が浮上しては
沿線道路未整備という理由によって、現状維持の状態が続いています。

実際に乗車してみて、地図と照らし合わせてみると
「え?これ県道?」と思うような狭さの道路が川沿いにへばりついていたり。
中国地方最大の河川である江の川の水量はとても豊富で
その流域には平地が乏しく、僅かな土地に道路が通されて
家々が建てられている感じがしました。

三江線についても、大半が江の川に沿うように線路が敷かれており
直線距離では江津〜三次は約60km程度なのに対し
「へ」の字型に迂回しているお陰で、全線108.1kmとなっている。
日本鉄道建設公団が建設した浜原〜口羽間を除き
最高速度は65km/h、表定速度で言えば30km/hとも…。

 

 

■三江線の大まかな駅位置を記載してみました
■起点・江津駅
■江津駅構内、奥が出雲市(山陰本線)・三次(三江線)方面
■江津駅周辺図
■山陰本線の時刻表と比べて、三江線の方は…(^_^;

山陰本線で江津駅まで来たものの、三江線の接続時間が結構あり
江津駅周辺案内を見て、駅周辺をウロウロしていました。
江津の街自体は結構大きな町なようで、人々や車の往来も多く
天気も相まってか、寂しい雰囲気は感じられませんでした。

江津出発以降、山陽側へ抜け切る夜23時頃まで
食料を入手する機会は無いと思われた為
地元のスーパーまで歩いて行き、お土産品やら食料品を確保。

海岸線まで行きたかったけれど、実際は高低差が結構あり
時間的に余裕が無かったので、諦めました。
周辺図上の「港まで延びている引き込み線?」が
とても気になりましたが…(笑) どうなんでしょう?
 
■キハ120形単行、ワンマン運転が基本です
■画像にカーソルを載せると別画像
■川戸駅

江津駅を出発した三江線の線路は江の川手前で大きく右にカーブし
山陰本線の線路へ別れを告げます。
以後、暫くは左手に江の川を見ながらの旅となりました。

たっぷりの水量を湛えた江の川。
沿線土壌に対する恩恵は無きに等しかったようですが、鉄道が無く
また道路状況も良くない時代には、船による交通があったようです。

この時・既に夕刻、山間の路線では日暮れも早い。
夕暮れの色合いにより、幻想的・かつどこか懐かしいような光景が
車窓に広がっていました。
■因原駅…何故、洗濯機???
■簡易委託駅である石見川本駅
■石見川本駅で列車交換
■一文字駅名な竹駅
■江の川が色んな表情を見せてくれます
■Nice Bridge.
■キハ120形の車体に、夕陽が反射してしまった…
■のんびりとした雰囲気の明塚駅
■石見簗瀬駅

江津を出発した列車は、コトコトと江の川上流へと進みます。

乗車したのが三次へ抜ける最終列車であり、
残念ながら途中下車は出来ませんでした。
なので、貸切をいいことに列車内をウロウロして、
周囲が暗くなる時間までは、車内から出来るだけ色んなものを撮影。
帰宅してから見たら、デジカメのメモリには
自分でも訳が分からない画像が一杯となっていました(笑)

右画像、明塚〜粕淵間にある「第一江川橋りょう」の位置には、
かつて「粕淵第一鉄橋」が掛かっていたそうです。
1972(S47)年7月の豪雨による大洪水で、三江北線(当時)の各所は寸断。
再開するまでの約2年半、この橋の手前に「野井駅」が設置され
利用者は江の川を船で渡っていたとか…。
 
■第一江川橋梁/カーソルを載せると別画像
■粕淵駅も簡易委託駅のようです
■浜原駅はかつて、三江北線の終着駅でした
■浜原駅駅舎
■浜原駅駅名標
■旧タイプの駅名板
■乗車して来た車両はここで折り返し、江津行きに
■三江線全通記念の石碑
■浜原駅周辺には民家が結構ありました

かつて「三江北線」の終着駅であった、浜原駅へ到着。
残念ながら乗車した列車は三次までの直通列車ではなかったため
この駅で折り返し三次行きとなる列車を待ちました。

この駅から先、口羽駅までは日本鉄道建設公団が建設した路線。
高規格で直線的に作られた路線は、最高速度も85km/hにアップ。
乗り心地も異なります。
「秋田内陸縦貫鉄道」と似たような境遇ですね。

ほどなくして、浜原折り返しの列車が到着し、数人が下車しました。
彼らは駅改札口を出て、浜原の集落へと消えて行きました。

折り返しの三次行きで浜原駅から県境越えをする乗客は
私の他には居ませんでした。
■駅ホームのツツジが綺麗でした
■折り返し三次行きとなる列車が到着
■浜原駅時刻表

島根県側・江津〜浜原間、広島県側・口羽〜三次間には
それぞれ1日5往復が設定されていますが
浜原〜口羽間については4往復と少なくなります。
日中長時間に渡って運行の無い時間帯もあります。

2006(H18)年7月、豪雨の影響により沿線38箇所で土砂崩れが発生し
11か月程全線運休・バスもしくはタクシーでの代行運転を実施。
沿線風景の中には、まだ新しい修復跡や法面工事跡がありました。
三江線は江の川に沿って、ほぼ見下ろすような形で走っていますが
所々では高く築かれた堤防で、江の川が見えない状態でした。

これだけの水量も豊富な河川ですので
前述の災害の他にも時折、大水害に見舞われているのでしょう…。
 
■三次行き車内より撮影
■近くには潮温泉もある潮駅
■鏡のようです
■宇都井の集落
■宇都井駅駅名標

三江線の中で、一番立ち寄りたかった駅は「宇都井駅」
宇都井の集落の頭上・約30mを通り、山を貫いている三江線。
ここは、トンネルの合間の、谷筋を渡る高架上に設けられた駅です。

ホームへ上り、列車に乗る為には、団地の階段か?と思うような
116段の階段を上らねばならない。

目にした宇都井の集落は、予想していたよりも家数の多い地区でした。
トンネルから抜けて駅へ停車し、またすぐに発車。
列車はまたすぐにトンネルの中へと吸い込まれます。

また、三江線に訪れた時には、宇都井駅に寄ってみたいです!
■下車したかった…
■式敷駅駅名標
■終点、三次駅に到着

宇都井駅を過ぎた後、程なくして完全に暗くなってしまったため
その後は夕食としてゆっくり駅弁を戴きました。
それでも駅に到着するたびに、
駅名標とか撮影出来るものも探してましたけど(笑)

そして無事に、終着・三次駅へ到着。108.1km、三江線完乗です。
三次では芸備線ではなく、福塩線に乗り換え。
…久々に複数の人の乗車する列車に、乗車しました(笑)

日没時間となってしまったために、
半分近く景色等を見る事が出来ず残念でした。
本数や位置から言っても、簡単に訪れる事の出来る路線ではないけれど
三江線にはまた機会を作って、乗車してみたいです。
 
■江津からは1890円

■駅スタンプ・江津駅
■駅スタンプ・三次駅
   

   
<長文&駄文にお付き合い下さり、ありがとうございました!>
 
※記載されている情報は2010年05月現在のものです
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