イチ鉄子のダメダメ放浪日記。

SYSTEM-R

北海道遺産。 【旧国鉄士幌線】

コンクリートアーチ橋梁群。

 
旅行日:2011年7月16〜18日

「死ぬまでに訪れてみたい」
そんな場所が私には幾つかあります。

その一つが、1987(S62)年に廃止された、国鉄士幌線跡。
廃線跡自体も非常に気になる存在ですが
何と言っても、数多くのコンクリートアーチ橋が現存し、保存されているのです。
そしてそれら一群が、北海道遺産に選定されています。

中でも特に有名な橋梁は、「タウシュベツ橋梁」
それは 人造ダム湖である糠平湖の北東部に位置していますが
糠平湖の水位の変動により、完全に水没している時期もあります。
そしてただただ、朽ちて行くのを見守るしかない橋…。
その「幻の橋」を見てみたい!と、居てもたっても居られなくなり(笑)
急遽海の日連休で訪問しようと旅の計画を立て、実行した次第です。

かつての終着地・十勝三股(代行バスのバス停でもあった)。

まずはタウシュベツ橋梁の現在の様子を上士幌町観光協会HP等で確認。
この時丁度長雨を降らせる前線が北海道上に停滞していたため
糠平湖の水位が急激に上昇していました。
しかしきっと数日内は水没しない、大丈夫だろうと踏んで
NPOひがし大雪自然ガイドセンターさん主催・有料ツアーへ問い合わせ。

7/17午後の申し込みはこの時点で私だけとのこと…(^ω^;)
参加者が1人だけだと、ツアー代金が少々高くなりますとの事でしたが
勿論OK! いやむしろ独り占め万歳!!と心の中で叫んだのは内緒です。
しかし当日、直前にもう1人申し込みがあったようで、独り占めならず…orz

と、張り切って旅行記を書こうとしたのですが、現地は生憎の天候であり
また動画ばかり撮影していたため、掲載出来る画像が殆どありません(爆)
タウシュベツ橋梁については、動画をご覧下さいませ…orz
(↓下にリンク有り)


 

■旧国鉄士幌線概略図  

国鉄士幌線は根室本線帯広駅から北へ、十勝三股駅までの78.3kmの路線でした。
1925(T10)年建設開始、1939(S14)年に糠平駅から十勝三股駅まで開通。
タウシュベツ橋梁(1937年橋梁竣工)は、この区間に含まれています。

1955(S30)年糠平湖建設のため清水谷駅〜幌加駅間はルートが変更となり
その際にタウシュベツ橋梁を含む旧線区間(上図青線部分)は廃止となっています。
また乗客数が極小となったため、末端部分の糠平駅〜十勝三股駅間については
1978(S53)年にバス代行輸送へ切替となりました。
そしてそのまま、1987(S62)年の全線廃止を迎えることに。

全線廃止後、帯広駅〜糠平駅間については設備撤去等が進められましたが
糠平駅以北、先に休止状態となった区間については線路が草木に埋もれ
また橋梁等の設備の劣化もあって、ほぼ放置される結果となったようで…。
現在では糠平以南の廃線跡の方が痕跡も殆ど無く、探訪が困難だったりします。
 
■タウシュベツ橋梁訪問記動画
■第五音更川橋梁

今回は帯広駅でレンタカーを借り、移動することにしました。
基本的にはR273に沿うように廃線跡が残っているため
移動する車内からも橋梁が多数確認出来ます。
しかし自分で運転していると、なかなか見る事が出来ません…(笑)

当日は全般的に雨模様でした。
なので、停車して見物したくても、雨に阻まれて諦めた箇所も沢山ありました。

時季を変えて、再訪しないと〜と、帰路既に思い描いてしまった管理人です。
 
■三の沢橋梁
■幌加駅跡には看板が設置されています
■線路も残されていて、ポイント切り替えも出来ます
■駅名標は後から設置されたもの
■幌加駅構内(画面奥が糠平駅方向)

NPOひがし大雪自然ガイドセンター主催の有料ツアーを申し込んだのは
2011年現在、タウシュベツ橋梁に最も近付けるルートである林道の入口が
施錠されており、許可車両以外の通行が不可となっているため。

なので、事前に森林管理署で鍵を借りるか、このツアーを利用する
R273沿いに設置された展望台から眺めるか…の三択となります。

ちなみに徒歩で、施錠されたゲートを越えて行く人も居るようですが
ヒグマの目撃情報も多数ある地域ですので、無謀としか言い様がありません。

それを忠告するかのように、タウシュベツ橋梁へ向かう道の入口に設置された
「ヒグマ出没!」の真新しい看板には…ヒグマの爪痕が!Σ(゜Д゜;)
しかもガイドさん曰く、かなり最近付けられたものとのことでした。ひえ〜!(汗)
 
■幌加駅から北へ延びる線路跡(画面奥が十勝三股駅方向)

集合場所は糠平温泉文化ホール
入口がちょっと分かり辛くて迷子になり、遅刻しました(爆)

そこでツアー代金をお支払いし、資料も戴いて、更には長靴をお借りしました。
ちなみにお手洗いは先に済ませておくのが吉!

ガイドさん1名と他のお客さん1名(女性)、そして管理人の計3人がワゴン車に乗り
タウシュベツ橋梁を始めとした士幌線について、ガイドさんのお話を聞きながら
まずはタウシュベツ橋梁へ向けて移動しました。

同乗の女性は道内在住の方らしく、糠平へも何度も訪問しており
温泉に関するBlogを運営されているとのお話でした。
今回はタウシュベツ橋梁を間近で見たくなって、参加したそうな。
■この絵似てないよ!とヒグマがツッコミを入れた痕ではない…はず  
■念願のタウシュベツ橋梁が目の前に…!  
■徐々に朽ちて行く運命
■橋梁上は立入禁止です
■崩壊している姿すら美しいと思う
■更に移動して遠方から眺める
■R273沿いのタウシュベツ展望台には先客が…
■展望台からの眺め

   

 


私はガイドさん、そしてご一緒した女性に
「一体何故ここを訪問したのか?」と聞かれて、返答に困ったのでした…。

鉄道好きかつ橋梁好きなので、と答えると、お二人共大いに驚いて
「えっ、鉄子さんなのですかー!?」
「女性の鉄道好きな方で、鉄子って認めた方、初めてです!」
え…そんなに驚かれる存在なの…?(´・ω・`)

そんなこんなで、神秘的なタウシュベツ橋梁を間近で見学出来て
楽しい一時を過ごさせて戴きました。
この後、橋梁は例年よりも早く、8月には完全に水没してしまったとのことで
この時思い切って行って、本当に良かったなと思いました。

もっと糠平周辺で見て回りたい場所が沢山あったけれど、時間的にギリギリで…。
十勝三股までは行けたけれど、三国峠までは流石に無理でした(爆)
そして上士幌町鉄道資料館(糠平駅跡)も、全然見学出来なかったorz
次回は是非糠平温泉に宿泊して、満喫したいな〜♪と思っています。

  <長文にお付き合い下さり、ありがとうございました!>

 

※記載されている情報は2011年11月現在のものです
Copyright (C) SYSTEMS. All Rights Reserved.

design: [pondt]様よりお借りしました